DM とは?ダイレクトメールの活用や改善方法まで解説|株式会社エフエムディービー
更新日:2025.03.12
DM (ダイレクトメール)とは、はがきや封書、電子メールなどを通じて、企業が個人に向けて商品やサービスの情報を直接送る広告・販促メッセージのことを指します。
不特定多数に向けてではなく、あくまでも「個人」に向けてアピールできることから、数ある宣伝手法の中でも、DMは特に顧客からの反応を得やすいという特徴があります。
また、Web広告やSNS広告と異なり、DMは顧客の手元に直接届くため、視認性が高く、情報が埋もれにくいというメリットもあります。
本記事ではDMとは何か?という基礎知識からDMのメリット・デメリットについて、さらにより魅力的なDMを作成していくために欠かせない、効果測定と改善方法まで詳しく解説します。
目次
DM(ダイレクトメール)とは
DM(ダイレクトメール)は、はがきや封書、電子メールなどを通じて、企業が個人に向けて商品やサービスの情報を直接届けるマーケティング手法です。
DMの送付対象者の選出方法にはいくつかありますが、一般的には過去の利用履歴や、企業への問い合わせや資料請求を行った人を基にリストを作成し、送付します。
不特定多数ではなく特定の個人に向けてメッセージを送るため、受け手に強い印象を与えやすく、顧客との距離を縮める効果が期待できます。
そのため、セールスプロモーションの中でも、特にマーケティングの効果が出やすいという特徴があります。
ちなみに、SNS(Instagram、X、Facebookなど)上では、特定の相手やグループへ直接メッセージを送る「ダイレクトメッセージ」機能もあり、これもダイレクトメールの略称と同じく「DM」と表記されます。
言葉が似ているため両者が混同されることもありますが、今回は顧客獲得や宣伝目的で企業から送付されるマーケティング手法、DM(ダイレクトメール)に焦点を当てて解説します。
DM(ダイレクトメール)の定義
DM(ダイレクトメール)はターゲットに向けて「ダイレクト」にメッセージを届け、アピールするために活用されます。
アメリカのDM研究家、ヘンリー・ホーク氏は、DMを送る目的を大きく4つに分類しており、これらの目的に応じてDMの内容を使い分けることが重要です。
《DMを送付する4つの目的》
1.情報DM
製品やサービスについての情報提供や顧客への知識を与えることを目的としています。
例)カタログの送付、新商品の紹介、イベントの案内など
2.説得DM
顧客に注文や問い合わせを促す内容で、実際に行動を起こさせることを目的としています。
例)割引や期間限定の特典、キャンペーン案内など
3.想起DM
自社のブランドや商品、サービスを顧客の記憶に定着させ、再利用・再来店を促すことを目的としています。
例)御礼状、再来店促進の案内など
4.実用DM
郵便の本来の目的である「連絡を取る」ことを目的としています。
例)重要なお知らせ、請求書、契約更新のお知らせなど
DM(ダイレクトメール)の種類
DM(ダイレクトメール)の種類は、はがきや封筒、パンフレット、カタログ、チラシなど、紙媒体での郵送が主流です。
郵送DMは、視認性が高く、開封率が比較的高いのが特徴で、実際に手に取って読んでもらえる可能性が高いメリットがあります。
また、手元に残るため、今すぐの購入に繋がらない場合でも、後日再検討して購入へとつながる可能性もあります。
<郵送DMの種類>
・ハガキDM:コンパクトで開封の手間がなく、簡潔に情報を伝えられる。イベントやセール情報の案内に最適。
・圧着DM:剥がすことで中面の情報が確認できる仕様。誌面が多くとれ、プライバシー保護にも優れている。
・封書DM:チラシやカタログを同封できるため、詳細な商品情報を伝えたい場合に適している。
一方、近年ではインターネットの普及とペーパーレス化の進展により、電子メールでのDM送付も増えています。
電子メールはリアルタイムで情報を伝えられ、郵送DMと比較して圧倒的にコストを削減できるという大きなメリットがあります。
ただし、電子メールには他のメールに埋もれて開封されない可能性や、迷惑メールとして振り分けられる可能性が高いなどのデメリットもあり、送付するターゲットをよく検討することが大切です。
このように、顧客に伝えたい情報の量やターゲット層を考慮し、適切なDMの種類を選ぶことが重要です。
特に、高齢者層はメールに不慣れな場合が多いため、郵送DMのほうが効果的なケースもあります。また、広告の目的や予算に応じて、コストパフォーマンスの良い方法を選択することで、より効果的でマーケティングとして意味のあるDM施策を実施できます。
DMのメリット
DMはターゲット層や目的に応じて、デザインや内容を自由にカスタマイズできるため、訴求力の高いメッセージを届けやすいというメリットがあります。
一方で、郵送DMは印刷費や郵送費がかかるため、コストや手間の面でデメリットもあります。
こちらでは、まずDM(ダイレクトメール)の具体的なメリッについて、詳しく解説していきます。
効果的なマーケティング手法
正しく運用できれば、DMは非常に効果的なマーケティング手法といえます。
DMを作成する際は、初めて商品やサービスに触れる層、すでに興味を持っている層、過去に利用したことがある層など、特定のターゲットや目的、顧客のニーズに応じて、デザインや内容を最適化します。
そのため不特定多数に配布されるポスティングチラシなどと比べて、DMは顧客の興味を引きやすいというメリットがあります。
このメリットを最大限引き出すには、ターゲット層に合わせてパーソナライズされた内容を盛り込むことが重要です。
例えば、顧客の過去の購入履歴や関心に基づいた情報など、受け取る側にとって価値のある情報を盛り込むことで、より良い反応を引き出すことができます。
顧客との直接的なコミュニケーション
DMは送付する形状や伝える情報量に制限は無いため、文字や写真以外にも様々な形で商品・サービスの魅力をアピールできます。
これらを活用することで顧客からのフィードバックを効果的に収集でき、さらに顧客との信頼関係を築くことが可能となります。
〈例〉
・新商品のサンプルを送付して実際に試してもらう。
・送付したカタログで使えるクーポンを同封する。
・印刷したQRコードからWEBコンテンツへご案内する。
例のように、DMで配布したクーポンの利用率やQRコードへのアクセス数、サンプルへのレビュー内容、電子メールの開封率などの顧客からのフィードバックをもとにして、次のアクションを迅速に判断し、マーケティング戦略を柔軟に調整することが可能です。
これにより、顧客のニーズにより的確に応えることができ、リピーターの獲得やブランド忠誠度の向上にも繋がります。
顧客との距離をぐっと縮められるDMは、企業と顧客との信頼関係を築くための強力な手段となります。
DMのデメリット
一方で、DM(ダイレクトメール)には以下のようなデメリットもあります。
コストと時間がかかる
DMの一番のデメリットは、コストがかかる点です。
特に郵送DMでは、用紙代や印刷費、郵送料に加え、デザイン作成や印刷発注など金銭面での負担が大きくなります。
さらに、企画、デザイン、発注、封入作業などが必要となるため、人員や時間的なコストも発生します。
一方、電子メールでのDMであれば、あまりコストがかからないと思うかもしれませんが、顧客リストの作成、原稿作成、送信作業などの手間は避けられません。
どちらにしても、効果的な施策を実行するには、十分な計画と採算を考慮した設計が必要です。
適切な準備をせずにコストをかけても、効果が得られない結果に終わることもあります。
リアルタイムでの運用が難しい
DMのデメリットに、リアルタイムでの運用が難しいということも挙げられます。
特に郵送DMは発送から顧客も手元に届くまで日数を要するため、急ぎの企画やキャンペーンの案内には向いていません。
また、一度完成したDMの内容やデザインを変更するには手間がかかり、Web広告のように柔軟に対応できない点もデメリットです。
効果測定を行うことで今後の効果向上が期待できますが、DMは実際の顧客の反応を確認できるまでには一定の期間が必要であり、送付後すぐに改善を行うことも難しいです。
DMを成功させるためのポイント
効果的なDMを作成するには、事前の準備がとても重要です。ターゲットに適した内容やデザインを考え、適切なタイミングで送付することで、DMキャンペーンの効果を最大化し、目的達成に近づくことができます。
以下の4つのポイントを押さえて、成功するDMを作成しましょう。
目標・目的を明確にする
DMを送る前に、まずその目的を明確にしましょう。
売上を上げるのか、ブランド認知度を高めるのか、特定のキャンペーンやイベントへの参加を促すのか、目的に応じて戦略が変わります。
<例>
・売上を上げる → 新商品の案内や期間限定の割引を提供する。
・ブランド認知度を高める → 企業のストーリーや理念を伝える。
・イベントやキャンペーンへの参加を促す → イベントの魅力や特典を強調する。
DMの目標が明確であればあるほど、ターゲティングやメッセージの内容が定まり、効果的なキャンペーンの実現につながります。
目的に応じたターゲットの選定
目的に応じたターゲットを選定することは、DMキャンペーンの成功に必要不可欠です。
商品やサービスに関心のない人へDMを送っても、期待する効果は得られず無駄なコストがかかるだけで終わってしまいます。
ターゲット層の特性や購買履歴、興味関心を基にリストを作成し、そのリストに合わせて適切なアプローチをしていくことが大切です。
<ターゲットリストの作成ポイント>
・購買履歴を活用する
・興味関心データを活かす
・年齢層やライフスタイルを考慮する
<具体例>
・過去に購入したことがある顧客 → 新商品案内やリピート購入を促す特典を提供。
・購入履歴のない潜在的な顧客 → 初回限定割引やお試しキャンペーンで関心を引く。
・一定期間購入がない休眠顧客 → 「おかえりなさい特典」などで再購入を促す。
ターゲットを意識したデザイン・メッセージの作成
DM作成の大きなポイントは、ターゲットの心に響くデザインやメッセージを盛り込むことです。
誰にでも当てはまるような内容では読み手が自分事として捉えづらく、印象に残りづらいものとなってしまいます。
特別感を与えることで、受け手は自分事として内容を受け取るため、商品やサービスの訴求がより効果的になります。
具体的には、ターゲットの年齢層や性別、ライフスタイルに合わせたデザインやメッセージを取り入れたり、パーソナライズされた要素や、明確な行動を促すメッセージを盛り込んだりなど、受け取った人が興味を持ち、行動を起こしたくなるような内容に仕上げることが大切です。
<具体例>
・パーソナライズされた要素を入れる
DMの文章内に顧客の名前を入れる。顧客の過去の購買履歴を基に、その顧客に合った商品やサービスを提案することで、より関心を引く事ができます。
・顧客の行動を促すメッセージを入れる
「今すぐ購入で10%オフ」「DM持参で割引します」などの強力なオファーを明記することで行動に繋げます。
・ライフスタイルに合わせた提案
子育て中の家庭向けには便利な商品や時短アイテムを紹介し、シングルライフの人には自分磨きや趣味に関連した商品提案など、ターゲットに合わせた内容を提案。
・年齢層に合わせたデザイン
若年層にはキャッチーでカラフルなデザイン、中年層には落ち着いた色調やフォントで品を出す、高齢者層には文字を大きくしたり見やすいフォントを使ったりしパッと見たときに読みやすいデザインを心がけるなど。
年齢によっても、ある程度デザインの方向性を分けることが可能です。
・性別に合わせたメッセージ
女性向けには美容や健康に関連するメッセージ、男性向けにはアウトドアやスポーツに関連する内容をアピールするなど。
一般的に興味を引きそうなワードやメッセージを選ぶことも、大切です。
ベストな発送タイミングを考える
DMの送付タイミングを慎重に決定することも成功への重要なポイントです。
業界のトレンドや競合の動向を常に観察し、他社よりも一歩先を見据えたアプローチを心がけましょう。
<タイミングを工夫するポイント>
・季節商品 → 季節の変わり目に合わせて発送。
・コスメやスキンケア商品 → 使用頻度を考慮し、リピート購入を促す。
・ブラックフライデーや年末商戦 → 競合より少し早めに案内を送る。
・新学期・新生活シーズン → 学生や新社会人向けの商品を訴求。
また、郵送DMの場合では、発送から受け取りまでに数日かかるため、その点を考慮したタイミングで送付するようにしましょう。
例えば、セールの案内を郵送する場合には、顧客が事前に準備できるようセール開始の1週間前くらいには顧客のもとに届くことが理想的です。
<具体例>
・セール案内 → 開催の1週間前には届くように発送。
・イベント招待 → 申し込み期限に間に合うよう、余裕を持って送付。
DMの効果測定と改善
DMを送付するだけでは十分な効果は期待できません。
送付後は、掲げた目標に対して実際にどの程度の効果が得られたのか、効果測定を行いましょう。
その結果をもとに次回の改善に役立てることが重要です。
効果測定の方法
ダイレクトメールの効果測定は、施策がどれだけ効果的だったかを把握するために欠かせません。
主な測定指標としては、以下のものが挙げられます:
開封率 | DMがどれだけ開封されたかを測定することで、送付内容やタイトル、ターゲティングの効果を評価できます。 |
クリック率 | アンケートフォームのURLやQRコード等から、リンクのクリック率を追跡することで、内容がどれだけ顧客の興味を引いたかを確認できます。 |
反応率 | DM受け取り後に実際に購入に至った割合を確認することで、DMが顧客行動にどれほど影響を与えたかを測定します。 |
費用対効果 | DMにかかったコストに対して得られた利益を比較することで、次回の戦略に活かします。 |
これらの指標を追跡することで、DMのパフォーマンスを客観的に評価できます。
改善のためのデータ分析
次回のDMキャンペーンをより効果的に改善するために、効果測定で得られたデータを基に以下の点を見直しましょう。
ターゲティングの再検討 | 反応率や購入率が高いセグメントを特定し、今後のターゲット層を再検討します。例えば、特定の年齢層や地域で反応が良ければ、次回はその層に焦点を絞ったアプローチを行います。 |
メッセージの最適化 | 開封率やクリック率が低い場合、DMのタイトルやコピーを見直しましょう。受け手にとってより魅力的なメッセージやCTA(行動を促す言葉)を再考します。 |
デザインの改良 | 反応が鈍い場合、デザインやレイアウトが影響している可能性もあります。よりターゲットに響くデザインへ改良が必要です。 |
送付タイミングの調整 | 送付タイミングによって反応が変わることがあります。最適な送付タイミングを再評価し、次回はより効果的なタイミングで送るよう調整します。 |
毎回これらの改善点を確認して次回に活かすことで、継続的にDM送付の効果を向上させることが可能となります。
まとめ
DM(ダイレクトメール)は、はがきや封書、電子メールなどを通じて、企業が特定の個人に向けて商品やサービスの情報を直接届ける宣伝手法です。
送付対象者は、過去の利用履歴や企業への問い合わせ、資料請求などを基にリストアップされ、ターゲットを絞って送られます。
不特定多数ではなく個人に向けてメッセージを送るため顧客からの反応を得やすく、セールスプロモーションの中でも高い宣伝効果が期待できるというメリットがあります。
DM作成・送付にかかるコストを無駄にしないためには、効果測定とデータ分析が欠かせません。
改善点を次回に活かすことで、より効果的なDM作りが叶います。
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