DM営業で成功するための具体的ステップと注意点|株式会社エフエムディービー(FMDB)
更新日:2025.04.10
DM営業(ダイレクトメールを用いた営業活動)は、ターゲットとなる顧客層に対し、より訴求内容を絞り込んでアプローチできる営業手段の一つです。
成功するDM営業を実施するには、明確に設定された戦略が必要となり、またそのためには、ターゲットをはっきり設定してニーズを鮮明化させる必要があります。
また送付するDM(ダイレクトメール)には、それを受け取った想定顧客が興味を持ってくれるような、魅力あるコンテンツを掲載する必要があります。もちろん送付後のフォローアップについても考慮の必要があり、送付された顧客の反応を確認して次のステップへ進む必要が出てきます。
このようなDM営業のノウハウについて、本記事ではわかりやすく説明していきます。初めてDM営業を行う担当者はもちろんのこと、DM営業の経験をすでにお持ちの方でも、より効果的なDM営業を行うためのポイントを理解しましょう。
目次
DM営業とは何か?
DM営業とは、「ダイレクトメールを用いた営業(マーケティング)手法」の略称です。
このように説明を受けても、特に新任の担当者であれば、具体的なイメージはつきにくいかもしれません。
まずここでは、DM営業の定義や、その基本的な仕組みについて理解しましょう。
DM営業の定義
ダイレクトメールとは、顧客に直接(ダイレクト)送付する、手紙やはがき、封筒といった郵送物(メール)のことです。
DM営業を送る目的は多岐にわたりますが、主には、商品やサービスを紹介したり、問い合わせを促したり、といったものが挙げられます。とくに新規顧客獲得のために行われることが多いのも、DM営業の特徴と言えます。
DM営業だけでマーケティング活動(顧客獲得の取り組み)を行う例もありますが、多くの場合は、他のマーケティング手法(Webでの販促・告知等、訪問営業、イベントなど)と組み合わせて実施することにより、さらに効果的な手段となります。
DM営業の基本的な仕組み
DM営業の基本的な仕組みとしては、下記のような4つの流れを理解するとよいでしょう。
1.ターゲット選定
2.ダイレクトメール作成
3.発送
4.フォローアップ
最初に、1. ターゲットを選定します。
つまり、どのような顧客にメッセージを届けるかを明確にします。例えばレディスジュエリーの販売を行うためのDMなら成人以上の女性、といった顧客がターゲットとなるかもしれません。
次に、2. ダイレクトメール作成です。
ターゲットが興味を持ちやすいような内容、魅力的なオファー、またわかりやすいCTA(コール・トゥ・アクション=電話番号やURLといった、顧客が次の行動を行うための連絡先など)を盛り込むのが大切となります。
ターゲットを選定しダイレクトメール作成したら、3. 発送を行います。
発送数が少なくても発送作業を自分達で実施するとかなりの労力を取られます。また、郵送コストの削減を視野に入れると、専門会社に作業を委託するほうが安くなるケースがほとんどです。
発送完了、必要に応じて最後に4. フォローアップを行います。
これを行うことにより、最後の刈り取りである成約や販売につなげていくのです。
DM営業のメリット
DM営業の最大のメリットは、絞り込んだターゲットに対し、最も効果的と思われるメッセージを届けられる点と言ってよいでしょう。
ターゲットやメッセージが絞り込まれていることにより、例えばDM送付やメッセージ作成にかかる余計なコストを削減することができます。またメッセージは広く浅いものではなく、狭くて深い、つまり特定のターゲットに刺さりやすいメッセージを送ることができるため、成約率を著しく上げることにも繋がります。
デジタル化が進んだ中では、様々なデータを活用して効率の良い実施・効果測定を行うことができることもメリットですが、一方で、印刷物や手書きのメッセージなどを郵送することにより、送付元である企業の個性を創出し、顧客の印象に残りやすくできる、というメリットも挙げられます。
こうした面に注目する場合、DM営業は非常に有用なマーケティングとなるでしょう。
開封率が高い
ターゲットを絞り込むこと(セグメンテーション)により、DMは開封率が高くなる傾向にあります。海部率アップのためには、属性の近い見込み顧客で作成された適切な送付先リストを用意することも重要になってきます。
また、郵送DMの場合は、デザインやレイアウトといった面で、目を引くものを用意することも比較的かんたんにできます。例えば色やフォントの使い方を工夫するだけでも、開封率は大きく上昇することがあります。
オファーやキャンペーンといった情報を盛り込むことでも、見込み顧客の関心を引き、開封を促すことができます。
このようにDM営業は、その手法に様々な工夫を凝らし、DM開封率を高めることもできるので、デジタルマーケティング全盛の現代でも非常に効果的な営業手法と言えるでしょう。
顧客との関係構築に役立つ
販売促進のみならず、顧客との関係構築にも、DM営業が大いに役立ちます。
実際に顧客のいるところへ営業スタッフが訪問したり、あるいは電話をかけたりといった方法とは異なり、DM営業は顧客からすると「売り込みをされている」というストレスを感じにくい営業と言えます。
このため、新規顧客と初めての接触のタイミングなどではメリットが生じます。
あるいは、DM営業を糸口に顧客からニーズやフィードバックを受け取ることができれば、それを再びDMに取り入れることによって、見込み顧客に自分たちの製品やサービスを印象付けることが、より容易となるはずです。
例えば、相手の行動などに対する感謝を込めたメッセージや、誕生日、結婚記念日、その他の特別な日に合わせたコミュニケーションを行うことで、顧客は自分が大切にされていると感じ、信頼関係を築く足がかりになります。
特定のターゲットにアプローチ可能
先に述べた通り、DM営業の強みの一つが、特定のターゲットに直接アプローチできる点です。
例えば、業種や地域、興味関心に基づいた送信先リストを作成できれば、営業活動の成果はさらに大きくなるでしょう。
DM営業のデメリット
このように、顧客を狙い撃ちにできるDM営業はメリットの豊富な営業手法と言えますが、その一方では、活用方法によってデメリットが生じる可能性もあります。
ターゲットのズレ
最も気をつけたいのは、ターゲット像を明確にしないままDMを送ってしまったり、あるいは間違ったターゲットに送ってしまったりするケースです。
DMを受け取った見込み顧客が、「これは自分には関係ない」だとか「これは私のライフスタイルに合わない」「自社の状況と合致しない」といった印象を受けてしまったら、そのDMは読まれることなく廃棄されてしまう可能性があります。
この場合、DM営業にかけた時間やコストは無駄になってしまうかもしれません。
また、受け取った見込み顧客が「なぜ私に関係のないものを送りつけてくるのだろう」と感じた場合、DM送信元の企業やブランドに対してマイナスの印象を抱いてしまう可能性もあります。
こうしたことを考慮すると、ターゲット顧客やメッセージの絞り込みが、DM営業においてどれほど重要かがイメージできるでしょう。
また、しつこいアプローチや過度な営業は顧客の心が離れていく原因になり得るため、細心の注意を払う必要があります。送ろうとしているDMの内容や送付方法が、法律を遵守しているかどうかも含め、送信や企画の前にはよく確認しておきましょう。
【参考】ダイレクトメール発送における個人情報利用についての規制説明の例(個人情報保護委員会) https://www.ppc.go.jp/all_faq_index/faq1-q7-34/
コストの問題
DM営業特有のデメリットとしては、コストがかかるという面も留意すべきです。
特に、印刷コストや郵送コストがかかる場合、どのように経費を抑えればよいか頭を抱えるケースも多いでしょう。一般的には、部数を多く印刷するほど、あるいはたくさんの相手に郵送するほど、印刷や郵送の単価は安くなる傾向がありますが、全体のコストはその分膨らむ可能性があります。
こうした点からも、ターゲットを絞り込み、さらには送信数も必要十分な範囲に留めることで、費用対効果は改善されていくことが期待できます。この場合、メッセージのマッチしていない顧客に無駄な送信をしてしまうリスクも、抑制できるでしょう。
気をつけたいのは、印刷数や送信数を小さくすると、外注企業に頼んだ場合は、単価が高くなってしまうことがある点です。期待する効果と、そのためにかけられるコスト(単価)を天秤にかけ、バランスのいいDM営業を行うのが最も良いでしょう。
届かないリスク
もう一つ「不着リスク」、つまりDMが届かないリスクも考慮すべきです。
電子メールなどインターネットを介した配信、しかも自社リソース(送信システムなど)を使った配信であれば、不着による無駄なコストはある程度抑制できます。
しかし、物理的な「モノ」を配送するDMの場合は、不着によるコストはしばしば大きくなる可能性があります。
こうしたリスクを回避するには、DM送信先の情報や住所などのチェックを行うのが効果的です。間違いがないかどうかを確かめるのはもちろん、送付先の住所が最新のものであるかどうかを確かめることも大切になります。
DM営業で成果を出すコツ
ターゲットの詳細なペルソナ設定
DM営業で成果を出すには、最初に述べたような「ターゲットの絞り込み」ならびに「顧客層の特性理解」が重要となってきます。そのために役立つのが、ターゲットのペルソナ設定(仮想的な個人像の作成)です。
ペルソナ設定は、まず自社の製品やサービスを必要とする顧客層を特定し、その年齢、性別、職業、趣味、といった属性を調べるところから始まります。そのうえで、顧客がどのような行動パターンや購買プロセスをとるか、あるいは、製品やサービスに関連する領域でどのような悩みを抱えているかを、深堀りしていきます。
ここをうまくクリアできれば、自社が打ち出したいメッセージを、狙い撃ちにしたい顧客の特性に合わせて作り込み(あるいは増やしたり削ったりして)、コスト効果の高いDM送信ができるようになります。
開封率を上げる送付時期の選定
また、送付時期によってDM開封率が大きく異なってくることも、意識しておきましょう。この点においても、ターゲットのペルソナが大きく役立ってきます。
たとえば、ターゲット顧客のビジネスにおける繁忙期、あるいは休日などを避けて送信すると、顧客がDMに目を通してくれる可能性は高まります。
また特定の曜日や特定の時間帯に着荷するよう工夫することも効果的です。一般的に、週初や午前中といったタイミングは、新しい情報を受け入れる可能性が高いと言われています。
過去に送信実績がある場合は、どのような送信パターンでどのように反応が返ってきたかを詳しく分析するのも効果的です。もし継続的にDM営業を行うのなら、送信ごとに効果測定を行い内容を改善していくことで、どんどんDM営業のパフォ−マンスは上がっていくでしょう。
魅力あるデザインとキャッチコピーの作成
しばしば見かける失敗例として、ただ製品やサービスの名前と細かい仕様(スペック)を並べただけのDM、というものが挙げられます。どれだけ仕様を作り込んでも、それを初めて見る顧客は、キャッチコピーや目を引くフレーズといったものがないと理解できないことがほとんどです。
一方、魅力あるキャッチコピーやフレーズ、あるいはデザインなどがあれば、DM営業の成果が大幅に伸びることもあります。最もよいキャッチコピーとは、「考えなくてもわかる」キャッチコピーと言われることもあります。とにかく顧客を余計に悩ませないような、顧客目線に沿ったキャッチコピーを意識しましょう。
この点については、シンプルかつわかりやすいコピーを作るよう心がけるのが効果的です。
また顧客の悩みに対する解決策や、製品導入によるメリットを端的に提示することにも、注意を払ってみてください。
また、すでに製品やサービスを導入済みの顧客にお願いして、導入事例記事や体験記事、成功例の記事を作らせてもらい、DMに掲載するのも効果的でしょう。
【参考記事】目を引くキャッチやタイトルで注意をひく「キャッチコピー」(開封率を上げるDM(ダイレクトメール)制作のコツ 構成編|エフエムディービー) https://www.fmdb.co.jp/column/750/
他の営業手法との併用
DM営業は非常に効果的ですが、他の営業手法との併用によって、さらに成果を上げることが可能です。たとえば、テレマーケティングや訪問営業と組み合わせることで、双方向のコミュニケーションが生まれ、信頼関係を築きやすくなります。
また、デジタルマーケティングと連携させることで、リーチを広げることも期待できます。メールやSNSを活用して、DM営業のフォローアップを行うと、リードの維持が容易になります。
コール・トゥ・アクションの設置
先に述べたようなコール・トゥ・アクション(電話番号、メールフォームURL、サイトURLなど)の掲載も抜けがないように留意しましょう。
明確な行動を促すボタンやリンクを設置し、受取人が次のステップに進みやすいように誘導すれば、DMに対する反応率は高まります。
DM営業で注意すべきポイント
過度な宣伝感の排除
受け取った顧客が「こちらの事情を考慮していない、ただの売り込みだ」と感じるようなDMは、相手に興味を持ってもらえなくなるばかりか、以後のコンタクトを拒否されてしまう(DM送信拒否、苦情など)こともあるため、よく注意する必要があります。
これを回避するためには、送信先となるターゲット顧客にとって有益な情報を掲載すること、また、押し付けでないナチュラルな口調でメッセージ(DMのコピーや本文)を作ること、などが効果的となります。
強引な宣伝にならないよう、あくまで「顧客の役に立つ提案」というスタンスでDMを作成するのがおすすめです。
情報の取捨選択
いくらあなたの製品やサービスがよいものだとしても、顧客にたくさんのことを伝えようと思って大量の情報を掲載すると、かえって顧客の関心が離れることが多くなります。
そのため、掲載する情報の取捨選択を意識しましょう。相手が求める解決策を、相手が理解できる情報をもとに、相手に理解しやすい語り口で提示する、と心がけると、例えば細かい仕様などはDMに掲載しなくてもよいと気付くかもしれません。
PDCAサイクルで効果を最大化する方法
ビジネスの様々な場面で活用されるPDCAサイクルは、DM営業を効果的に運用するうえでも、強力な効果を発揮する方法になります。PDCAという呼称は、下記の四つの頭文字を取ったものです。
Plan(計画:ターゲットやコンテンツの決定)
Do(実行:計画に沿ってDM送信)
Check(確認:反応を測定し、改善できる点を顕在化)
Action(改善:問題点を修正し再実行)
それぞれ、次項から詳しく見てみましょう。
計画(Plan)
DM営業において計画(Plan)のフェーズとは、ターゲット層を明確に定義してメッセージを作る段階をいいます。送信先リストの作成もこの段階に入ってきます。
実行(Do)
実行(Do)は、計画したDM営業を実際に行う、つまりDMを送信する段階をいいます。
なお、施策が初めての場合は、テストを行うのも効果的です。例えば、限られた顧客グループに対して、異なるメッセージやデザインのDMを送って、反応を分析するのです。
このようにして、何をすればどう反応が返ってくるか、という情報を蓄えていくと、DM営業のプロセスは日を経るごとに改善していきます。工夫を凝らして挑戦すればするほど、得られるものも大きくなるでしょう。
評価(Check)
評価(Check)は、DM営業の反応や効果を分析する段階となります。
どの施策がどれくらいの反応率となったかを、主に数値を用いてデータ化し、評価します。このプロセスをしっかり行えば、どういった施策が成功するのか、肌身で理解することができるものです。
あるいは競合他社との比較も、評価の段階で行うのがよいでしょう。そうすると自社のDM営業が、市場においてどのような立ち位置にいるのかがわかってきます。例えば、顧客層の規模の違い、特性の違い、他社にあって自社にない特長、自社にあって他社にない特長、などです。
改善(Action)
改善(Action)は、前の段階までに集まったデータや評価を基盤として、施策に具体的な改善を行うことをいいます。
効果が薄かった要素を特定し、次回から行わないようにしてもよいでしょう。あるいは効果が際立って良かった要素などは、そこをさらにクローズアップして次の施策に活かす、といったことも考えられます。
改善を行ったあとの施策は、単に過去の焼き直しにとどまらず、新しいアプローチを取り入れることも重要です。例えばメッセージの改変や、デザインの変更などです。そうして挑戦とフィードバックを繰り返せば、DMでの営業活動の成功率はどんどん高まっていくはずです。
まとめ
DM営業は、正しいステップと注意点を理解したうえで施策実行を重ねていけば、どんどん成功率を高めることができる、効果的な営業方法です。
本記事で取り上げたDMのポイントをしっかりおさえていくことで、DM営業の成果を最大限に引き出すことが可能となります。継続的な改善を行いながら、顧客との信頼関係を築き、自社と顧客お互いに有益なDM営業を実現しましょう。
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